古鷹山ビオトープカダヤシ撲滅大作戦
ビオトープの一大事!なんと古鷹山ビオトープ池にカダヤシが流入!
2023年9月の自然観察会で、メダカによく似た魚を発見しました。調べてみると、それは特定外来生物のカダヤシで、池のほとんどを占拠していることがわかりました。在来のメダカや水生生物を守るため、池の水を抜く「池干し」を行うことになりました。

きっかけは、2023年9月のビオトープ観察会で池の生き物を採集して観察していると、メダカにそっくりな4㎝以上の魚を発見!よくよく見てみると特定外来生物の『カダヤシ』だということが判明。
生態系を取り戻すための挑戦
観察会での発見をきっかけに、まずは池の水を減らして生き物を捕獲し、在来のコオイムシやタイコウチ,ゲンゴロウ、ヤゴなどは近隣の学校林の池に避難させました。調査の結果、カダヤシはおよそ1000匹にのぼり、在来のメダカはわずか34匹しか確認できませんでした。その後、ショベルカーを用いた池の浚渫を行い、環境を整備。さらに8月いっぱいかけて池干しを続け、池を完全に乾かすことで外来種の根絶を目指しました。

採集した生き物の仕分け。「これはメダカ? カダヤシ?」 「どっちでしょう?」
在来生物を守る工夫
今回の取り組みでは、まず在来生物を保護して移動させた点が大きな工夫です。また、池を深く浚渫し、外来種が再び繁殖しにくい環境を整備しました。さらに長期間の池干しを徹底することで、生態系の再生につながる土台をつくりました。

参加者全員で池に入り、生き物たちを丁寧に採集。在来種の命を守る大切な作業です。

池が浅くなっていたので、ショベルカーを入れて池の浚渫をおこないました。

浚渫後8月いっぱい池干しを行い、池をカラカラに干しました。
メダカの泳ぐ池が復活
2024年秋に池へ水を張ると、ヤゴやコオイムシなど多様な生き物が戻り、観察会では保護していたメダカを放流しました。そして2025年夏。外来種カダヤシは姿を消し、メダカが気持ちよさそうに泳ぐ、在来生物豊かな池がよみがえりました。

カダヤシ撲滅大作戦後 1年 (2025年夏の観察会) カダヤシのいなくなった池で、メダカが気持ちよさそうにスイスイと泳いでいます。

担当:中川 ゆかり
株式会社 カジオカL.A 呉本店勤務
