株式会社カジオカL.A

04
緑を考える 緑を造る

公共墓苑内の
樹木葬墓地プロポーザル案件

合葬及び樹木葬墓地整備業務(廿日市市)

樹木葬墓地プロポーザル概要

 平成30年公募型プロポーザルとして廿日市市所有の墓苑の一画が公募となった。通常の墓苑とは違う樹木葬の形式での公募となり、公共の墓苑ではとても珍しい事例となった。

完成した樹木葬墓地(廿日市市)

完成した樹木葬墓地、手前の3本の柱は記名版を張る柱兼モニュメントとして建立

Process Design

予算と要求水準について

 元々の敷地は、ほとんど手の入れられていない場所で、正にゼロからのスタート、これまでに数件のプロポーザル案件に取組んできた弊社のアイデアが生きる物件でした。ただし、提示された予算で要求水準(最低ラインの施設用件)を満たすことが難しく、今回は特に設計提案で苦労しました。まず大きな予算的な問題として、モニュメントと記名版を作ることが明記されていました。それについては石板を使い高級感を持たせたモニュメントに記名版を張る機能を持たせ、一つの構造物で賄えるように提案し予算削減に成功しました。

合葬及び樹木葬墓地整備(廿日市市)

敷地内がやぶとなっていて薄暗い印象だったので花木の魅力を取入れた設計にした

Bussiness Design

豪雨等による浸水対策

 石棺(カロート)を設置する箇所について、昨今の異常気象による豪雨が発生した場合、排水が悪いと石棺内に水が留まる可能性がある為、設計変更を行い暗渠管(地下に設置する排水管)を敷設しました。後に豪雨があった際も滞水することなく水が抜けていることを確認しました。

合葬及び樹木葬墓地整備(廿日市市)

対象場所が造成されてからかなり年月が経っており、構造上の問題が多々あった為、こうした配管作業も掘り起こし確認しながら最適な方法を検討した

Realizing

とにかく来園者にとって魅力的な場所にする

 明るい色のインターロッキングを使用し、車いすでも通れる様に道幅を確保、休憩施設としてベンチを2基設置、周辺植栽は白系の花が咲く花木を選択。公園施設の様にオープンな空間とし、来園者にとって快適な空間になる様に設計しました。完成してから他の市町村からの問い合わせや現地視察等があったとの事です。

合葬及び樹木葬墓地整備(廿日市市)

芝生内に石棺(カロート)をゆったりと、幾何学的に配置することで、他所とは違うゆとりのある墓苑となっている

担当:梶岡 美生

株式会社 カジオカL.A 呉本店勤務