圧倒的アジサイを目指して
太光寺アジサイ移植計画
行者山太光寺の植栽改善プロジェクト
広島市西区田方にある天台宗・行者山太光寺では、梅雨の季節を彩るアジサイが境内を美しく包んでいます。しかし、長年の成長により過密となり、一部の株が弱ってきたことから、庭園全体の植栽改善と土壌環境の見直しに取り組むことになりました。

混植で込み合っていたアジサイとアナベルを植え分けて、 大本堂前は色鮮やかなアジサイをゆったりと植え戻しました。
現状把握から見えた課題と改善への道筋
はじめに現状を正しく把握するため、土壌調査や巡回を実施しました。その結果、アジサイの過密状態やアナベルとの競合、大本堂西側のモミジの混み合い、さらに古江中央霊園での樹木の生育不良といった課題が明らかになりました。これらの調査と検討を踏まえ、翌年の開花につなげるための剪定レクチャーを行い、植栽の見直しを進める方針に至りました。

アジサイとアナベルが競合し根詰まりが起こっているためお互いの生育を阻害している
植物の個性を活かす配置と土壌改良の工夫
今回の作業では、植物の種類ごとの特性を考慮した配置替えを重視しました。アジサイとアナベルを分けることで、それぞれが健やかに育つ環境を整え、大本堂周りや古江中央霊園の植栽バランスを改善しました。また、移植の際には土壌改良剤をたっぷりと施し、根の活着を助けることで長期的な成長を支える工夫を行いました。

込み合っていたアジサイを一度掘り取り、今後の成長を考慮して間隔を広めに植え直しました。アナベルとアジサイがランダムに混ぜて植栽していたため、アジサイがアナベルの樹勢に負けて弱っていました。今回の移植で大本堂廻りのアナベルはお寺の横にある古江中央霊園へ移植することにしました。

大本堂の西側のモミジが込み合っていたので、中段と上段に振り分けてゆったりと移植しました。
彩り豊かな景観がよみがえる
移植後の植物は順調に育ち、梅雨の頃には境内いっぱいに色鮮やかな花が咲き誇りました。過密や競合といった課題を解消したことで、花々がより健やかに育つ環境が整い、訪れる人々に四季の変化を楽しんでもらえる魅力ある景観が広がりました。今後も圧倒的なアジサイのお寺となるようお手伝いができればと思っています。

既存のアナベルを隣接している墓苑へ移植し、ゆったりと植え直した色鮮やかな大本堂前のアジサイ。

古江中央霊園では、大本堂から移植したアナベルの純白とピンクの花が墓苑を華やかに彩りました。

担当:中川 ゆかり
株式会社 カジオカL.A 呉本店勤務
